イノベーティブな事業の創造プロセスの理解に必要となるキーコンセプトを紹介しています。

Insight インサイト

インサイトとは、顧客に対する深い洞察のことを指します。深い洞察を得るには、顧客のことを知り、置かれた立場まで理解した上で、ジョブや感情を汲み取り、言語化することが求められます。これにより新たな価値創造が可能になります。B2Bビジネスにおいても、決済担当者やユーザ部門について同様の洞察を得ることで、新たなニーズの把握につながります。JOBSメソッドやエスノグラフィーなどの手法を用い、1次情報を得ることが大切です。

Job to Be Done ジョブ (片づけるべき用事)

顧客は「ジョブ(用事)」を片づけるために製品やサービスを雇うという、ニーズの源泉に関する理論をクリステンセン教授が提唱しました。優れた製品ではなく、ジョブをより適切に解決する製品を消費者は買い、イノベーションにつながります。競合製品よりも性能が優れていても、顧客がやりたいことに即したジョブが解決されなければ、その製品は選ばれません。ジョブには機能的・感情的・社会的なものとがあるため、把握するためにはインサイトが必要になります。

Business Development 事業開発

事業開発とは、ビジネスアイデアがスケーラブル(拡張可能)な事業になるまでの過渡的な開発業務のことを指します。不確実性が高く、ピボットが必要となることもあります。したがって、営業しながら仕様を確認したり、開発しながら顧客の反応を見るといった多能工で遊撃的な能力が必要となります。想定や仮説および未知なリスクも多く、従来型の計画主義的マネジメントは機能せず、仮説検証型マネジメントが求められます。。

Customer Development 顧客開発

顧客開発とは、事業開発を行う中で、提供したい製品やサービスを必要とし、購入する顧客セグメントを特定するプロセスとしてスティーブ・ブランクが提唱しました。さらに顧客発見、顧客実証、顧客開拓、組織構築の4つのフェーズに分けられるとされています。事業開発において需要リスクがもっとも高いことが多いため、顧客開発と事業開発はほぼ同義に扱われることが多くなっています。

Business Model ビジネスモデル

ビジネスモデルとは、顧客に価値を提供し、収益を持続的に得続けるためのモデル、つまり事業の構造のことです。工業化社会では大量生産された製品の販売という類似のビジネスモデルがもてはやされましたが、ITや知識創造産業の発展とともに、多用なビジネスモデルを構築した企業が繁栄しています。そのため、単に優れた商品やサービスを提供するだけでなく、優れたビジネスモデルを構築することが必要となります。

Business Model Canvas ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスモデルを記述するためにアレックス・オスターワイルダーが考案したテンプレートです。テンプレートは価値提案、顧客セグメント、収益の流れ、キーパートナー等、9つの枠で構成されています。ビジネスを考える上で考慮すべき要素が網羅されているため、一通りこのテンプレートにビジネスプラン記述し、企画を整理することが重要です。

Test & Learn 仮説検証

事業開発を行うプロセスのエッセンスは仮説検証です。新規事業は未検証の仮説や不確実性が高いため、仮説を明示的に記述しながら検証し続けることが大切です。失敗を許容し、素早く学習するマネジメントが秘訣です。仮説検証方法は日々進化しているため、ますます手早く安く、ビジネスプランの検証が行えるようになっています。モックアップやラピッドプロトタイピング、A/Bテスト、クラウドファンディング等の手法を仮説検証に用います。

Lean Startup リーンスタートアップ

リーンスタートアップとは、エリック・リースが提唱する効率的な事業開発を行う手法のことです。トヨタの生産方式や、アジャイル開発手法を取り入れた手法は、資源が不足しがちなベンチャー企業が素早くビジネスモデルを検証し、無駄なくスケーラブルになるまでの道筋を描いています。大企業においても、新規事業のリスクを減らし、勝ち筋を見つけるまでの投資を減らすための手法として取り入れている企業が増えています。

Disruptive Innovation 破壊的イノベーション

破壊的イノベーションとは、従来製品の改良ではなく新たな価値と市場を生み出すイノベーションを指し、クレイトン・クリステンセンが提唱しました。優れた企業は顧客の短期的ニーズに応えるため、既存製品の改良に最適化しすぎるがゆえに、新しい価値を打ちだす新興企業に破壊されます。必要十分な性能ながら極めて低価格で顧客のジョブを解決するようなローエンド型破壊と、主要市場での性能は劣るが未解決のジョブを解決する新市場型破壊とにさらに分類することができます。